『太陽(たいよう)』 太陽のような男の子に
投稿者:sunny
初めての妊娠、出産。
不安も沢山あるけれど、とにかく私の元に来てくれたこの子が愛おしい。
性別がわかる6か月頃、男の子だと医師から告げられた。
男の子だって!と伝えると、喜んでいた主人。
「名前、どうする?」
自然と名づけについての話題が増えてきたこの頃。
性別が判明する前、なぜか女の子の名前ばかり思いついていた私は、お腹の中にいる子が男の子だったという事実に少々面食らったが、名づけの本を購入したり、インターネットで字画を調べたり、男の子の名づけについて真剣に考え始めた。
男の子が産まれてくるんだなぁと少しずつ実感し、日に日に楽しみになっていくものの、名づけに関しては、主人と一緒にいくつも候補をあげて考えてはみたが、なかなかしっくりとこない。

意味も呼びやすさも、苗字に合うかも字画も、考えれば考えるほど、何を決め手にすれば良いのか悩む日々。
なんとなく、顔を見て決めたら良いんじゃないか、なんてうっすらと思い始めてからというものの、すっかり名づけについては主人任せになってしまっていた。
お腹がだいぶ大きくなってきて、いよいよ出産も間近になってきた頃、主人が言った。
「名前なんだけどね。」
そしてこう続けた。
「太陽、はどう?お日様の太陽。」
どうして?と聞く私に主人がこう話した。
「太陽っていうのは、もちろん明るいし、沢山の人を明るく照らすからね。暖かくて明るくて、周りにいる人たちも明るくしてしまう、願わくばそんな人になって欲しいっていうのもあるんだけどね。」
うなづいて聞く私に更に主人は話した。
「一番の理由は、日は必ず昇る、っていうこと。」
雨の日も風の日も、嵐の日も雪の日も、毎日毎日必ず日は昇る。
沈んでもまた昇る。
暗くなってもまた明るさがやってくる。
人生を日の出に例えたあたり、とても気に入った。
そうして産まれて、最も明るい名前をつけられた息子は現在8歳になった。
名前の通り、いつも明るく笑う元気な男の子だ。
本当に名前の通り、太陽のような男の子だね。
そう言われることが多いこの子には、これ以上ない良い名前をつけることができたと思っている。