『駿平(しゅんぺい)』 父親のコンプレックスから

投稿者:ヨシハル

妻が妊娠したのは昭和64年。
息子が誕生した年から新しい「平成」という年号が始まり、新しい時代の幕開けに子供の将来もぐっと開けるかもという思いに胸が躍りました。

息子が産まれてから14日以内に出生届を出さないといけないので、ギリギリに決めて失敗してもいけないと思い、父親からの命名の意見としてあらかじめ考えていました。
そして妻が出産による入院から1週間後に退院して自宅に帰ってきた時に、私の考えた名前を妻に見てもらい一緒に考えました。
 
ちなみに私は男であるにも関わらず、私の父が女の子が欲しかったあまり「美」の一文字を付けたかったが故に「美晴(よしはる)」と命名されました。
訓読みだと「みはる」とも呼べるので、名前だけで女の子と思われた事もあったり、名前のことで馬鹿にされたり、とてもコンプレックスを感じていました。
今なお改名したいと思っているほどコンプレックスを持っております。

そんな私の経験から、自分の子供の名前にはしっかりとした意味を持たせ、産まれた子は男の子でしたので男らしい名前を付けたいと考えておりました。
いざ自分が子供の名前を付ける立場になって、自分が感じたコンプレックスを子供には持たせまいと、その時の流行や一時の好き嫌いでは決めないでおこうと考えました。

そして我が子の将来をじっくりと考えた結果、「この平成の新しい時代に足の速い、秀でる才を持った駿馬のように素早く、俊敏に駆け抜けてほしい」という気持ちを込めて「駿平」と考えました。
妻も私がこの子に託した熱い思いに賛同してくれ、妻から特に反対意見もなく、また「駿平」以外に考えつかないほど自分自身も気に入ってしまっていたため、すんなりと決定しました。

そういった父の思いを息子も感じてくれたのか、私は肉体労働者だったのに比べ、息子は大学を無事卒業後、最先端のIT業界に進みシステムエンジニアとしてコンピューターシステムの構築など平成の時代を駆けています。

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