『了亮(りょうすけ)』 きょうだい愛から生まれた命の名
投稿者:ようこ
我が家には年長の娘がいます。
妊娠5ヶ月に入り、娘と一緒に産婦人科を受診し、そこでお医者さんの話を一緒に聞き、新しい命を授かったことを伝えました。
娘としては、待ちに待った下の子の存在にうれしくて仕方のない様子。
ただ妹が欲しかったようで、男の子と知り、がっかりする様子もありました。
親としては、生まれてくる子となかよくできるのかなぁ、と少々不安に感じながらもお腹の中の子は順調に成長、テンション低めの娘と一緒に名前についてあれこれ考える日々。
そんなある日、娘とお風呂に入っていると、大きくなってきたお腹に向かって娘が急に
「りょうすけ」
と呼ぶではありませんか。
そして、その声に反応するようにお腹の中からキック。
「りょうすけに決めた」
と嬉しそうな娘の一言。
いやいやいや、待ってください、と思いながら、私からの返事はあいまいに。
そもそも名前の画数や漢字の成り立ちにすごいこだわりを持っていたので、
「りょうすけ」
という響きに合い、かつ、生年月日との相性の良い字を探すことができるのか。
漢字辞典と占いの本とにらめっこな日々が続きました。
そして、予定より4週も早く生まれてきた我が家の息子。
出産の痛みと戦いながらも、時折頭をよぎる命名。
結局、生まれた瞬間に我が子の名前を呼んであげられる器の大きい母にはなれず、娘も喜びの一方で弟の名前を読んでいいのか困惑の表情。
そんな中、2000gほどで産まれたため、特に大きな問題はないながらも、赤ちゃんだけ市内の大きな病院へ救急搬送されることになりました。
赤ちゃんのいない産後の入院。
びっくりするくらい何もすることがないのです。
そこで私のすることは名付けのための資料作り。
朝早く起きて搾乳、名付け、朝ごはん、名付け、搾乳、名付け、午後に赤ちゃんとの面会、夕飯を娘や主人と食べ、その後、命名のための家族会議。
会議の結果を受けての夜遅くまで一人で再検討。
最終的に名付けに詳しい知人に電話、主人と娘で知人宅へ訪問。
そして決まった名前が
「了亮」
です。
漢字もいくつかの候補から娘が書きやすさを理由に選びました。
あかちゃんを包むようなおもいやりを持ち、悟り、他者を助ける人になってほしい、という願いが込められています。
了亮が入院している病院にも患者名として登録し、面会に行った時、看護師さんや医師に名前を呼ばれているの聞き、我が子が
「りょうすけ」
だと実感。
今はみんなに
「りょうちゃん」
と呼ばれ、笑顔を振りまいています。