『鈴(りん)』 たくさんの幸せに恵まれますように

投稿者:まこ

妊娠が分かって男か女か決まらないうちから、主人と二人で名前を考えるのが毎晩の食事のときの楽しみでした。
結婚したらすぐに子どもが二人とも欲しかったので、嬉しくて嬉しくて。

検診のエコーで女の子と分かったら、それぞれがつけたかった漢字をピックアップして、主人は音楽が好きだったので「音」という字を名前に入れたいと言っていました。
私は10代のころに兄を事故で亡くしていたので、兄の名前から字を取って両親を喜ばしてあげようと思っていたのですが、主人からは男の子みたいな名前になるから、嫌だと反対されました。
そこで考えた私の打開策が、母の名前から漢字を取ってつけてやろうという考えでした。

そんな私の親孝行作戦を知る由もない主人は、名前の響きとして「りん」が可愛いだろうといいました。
主人は、まんまと私の都合のいい名前を出してくれました。
私の母の名前には「鈴」という字が入っているので、そう書いて「りん」と読ませようと提案しました。

意味に関しては、しっかりと考えてあって、「鈴なりの幸せがこの子に訪れますように」という由来です。
「幸せ」だけでなく、「人とのつながり」も「信頼」もすべて鈴なりであって欲しいという願いを込めたいと主人にいうと、賛成してくれました。

私の両親には子どもが産まれる前から名前を教えていたのですが、主人側の両親に悪い気がして、違う名前にしたほうがいいのではないかと言われました。
しかし、自分の息子を亡くした母を思うと、どうしても親孝行したかったので、反対を押し切ってこの名前で貫くことにしました。

主人の両親には、子どもが産まれて、出生届けを出してから名前を伝えました。
義理のお母さんは、私の母親から漢字を取ったことにすぐに気づいたようで、少し機嫌が悪くなっていましたが、さすがに口に出すことはためらったようで、ばつが悪そうにしていました。

両親同士が病室で対面したときは、義理の母が「いい名前をつけてもらってよかったですねー」と私の母に言っていたので、相当悔しかったのだろうな、悪いことをしたなとおもいましたが、もう今から名前を帰ることも出来ず、この名前でこの子を一生育てていきます。

二人目を産んだときは、両家ともに恨みっこなしの名前をつけようと決心しました。

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