『光晴(みつはる)』 晴れやかで光に溢れた人生になるように。
投稿者:しおり
一晩中かかって、早朝の出産。
分娩自体はスムーズだったものの体力を使い果たした私は、部屋への移動の最中に貧血で意識が朦朧(もうろう)に。
まだ暗い廊下を車椅子で運ばれて、用意された個室のドアを開けると、窓には真っ青な、澄み切った空が見えました。
お産の疲れと、早々に貧血、初めての育児。
不安になっていましたが、それを吹き飛ばすような晴天です。
まるで、子どもの誕生が祝福されているようでした。
この空の美しさを、名前にとどめておこう、と、思ったのです。
この子のゆく先々が、いつでも晴れやかで、光に満ちているように。
この子が、人の不安や悲しみを、晴らせる子になるように。
とはいえ、入院中は起きれば授乳、寝れば息をしているか不安、お世話の練習でキャパシティはいっぱい。
退院して実家に帰っても、赤ちゃんと同じ周期で寝たり起きたり、仕事帰りに旦那が寄ってくれても寝ていたりしてなかなか命名の話が出来ませんでした。
ようやく旦那が休みの日に、ノートと姓名判断の本を広げ、赤ちゃんを抱っこしながら会議開始。
旦那は、家族から一字を取るような名前が良いと主張。
私もそういう名付け方は好きなので、両親・義両親・旦那・私の字をばらばらにして足したり引いたり。
命名というよりはまるでパズルです。
当然、人の名前として成立しない組み合わせや、ぱっと見はよくても読みづらいものばかり…
名前としてよくても、姓名判断にかけると結果はボロボロ。
今度は私の「晴天にちなんだ名前」という方向から考えますが、これもまた、出産ハイというべきか、出てくる候補はちょっとキラキラしすぎた名前。
他の家庭のキラキラネームは素敵だと思うのですが、自分たちの子どもに、と思うと少し照れくさい感じがしましたので、普通の名前にしようね、とふたりで決めていました。
困り果てて、とりあえずいままでの候補を見直すと、旦那のお父さんの名前の、「光」の文字が、それこそ光って見えました。
あの日の空は、晴れて青かったけれど、それよりも、光っていたのです。
晴れた空の光、「光晴」。
姓名判断は……ばっちりです。
旦那の希望も私の希望も入って、読み間違えもなく呼びやすく、画数もクリア。
「みつはるくん」、「みっくん」と、寝ている赤ちゃんを呼ぶと、これ以上なくしっくりきます。
そのまま、命名用紙を書いて撮影、家族にメールを書き、出産届けを記入、提出しました。
ちなみに光晴くんは見事な「晴れ男」になりました。
お宮参りも初節句もお食い初めも誕生日も、みんな晴れです(笑)