『桃菜(モモナ)』 主人の優しさのおかげでつけることができた名前
投稿者:ことちゃん
お腹の赤ちゃんが女の子と分かってから、
「春生まれだから、春っぽい名前がいいな」「女の子だから可愛らしい名前にしたいね」と、
主人と毎日話し合いました。
主人のつけたい名前と私がつけたい名前が違い、何度も揉めて、
きっとお腹の赤ちゃんも、「もうケンカはやめて!」なんて言っていたんじゃないかな、と思います。
「今日も名前のことでケンカしちゃったなぁ」なんて思いながら、
妊婦検診に向かうバスの窓から外を見ていると、目の前に、とてもきれいな菜の花畑が広がっていました。
その菜の花たちは、落ち込んでいた私を励ましてくれているようでした。
「菜の花に関係する名前をつけたい!」そう強く思うようになり、主人を説得しましたが、
頑固で、一度決めた意見は絶対に曲げない性格の主人は、「気に入らない」と繰り返すばかり・・・。
私は、「春っぽい名前がいい」「女の子だから、ニックネームの響きが可愛らしい名前がいい」などと考え、
「桃菜」にしたい!と思いましたが、やはり主人は違う名前をつけたがっていました。
私は出産前で、気持ちも不安定になっていたこともあり、
「もう名前のことでもめるのは嫌だから、主人のつけたい名前でいいや・・・」と
自分のつけたい「桃菜」という名前は諦めることに・・・。
陣痛が始まったのは、ちょうど主人の休みの日でした。
陣痛が始まったときから出産の時まで、主人は片時も離れず、傍にいてくれました。
ちょうど良い力加減で腰をさすったり、タイミングよく水分を取らせてくれたり、と、サポートは完璧でした。
16時間の陣痛を経て、ようやく赤ちゃんが誕生!
隣についていてくれた主人は、涙をぼろぼろ流して、赤ちゃんの誕生を喜んでいました。
そして、処置が終わり、主人のいる場所へ戻ると、主人が私にこう言いました。
「お母さんたちに、名前、報告しておいたよ。桃菜ちゃんですって。」
私は驚き、「え?桃菜でいいの?」と聞き返すと、
主人は、「うん!あんな大変な思いをして産んでくれたんだから、ママのつけたい名前にして。」と言ってくれました。
母から聞いた話では、出産後私が処置をしている間、
主人は、母たちに「赤ちゃんの名前は、何にしたの?」と聞かれて、迷わず「桃菜にしました」と答えてくれたそうです。
親戚からも「可愛い名前だね」と言ってもらえて、
私にとっても、主人にとってもお気に入りの名前になりました。
2歳になった桃菜。
「ももちゃん」と、自分の名前を言えるようになりました。
自分たちのつけた名前を、我が子が名乗っている。
当たり前のことだけど、とても嬉しく、感慨深いです。