『広心(こうしん)』 夫への願いから、純なる子どもへの願いへ
投稿者:ゆみの
息子の名前は「広心」です。
こうしんと読みます。
命名したのは、母親である筆者自身です。
3番目に授かった子どもということもあり、夫や舅、姑などにも気を遣う必要がなかったために「今回は、ぜひ、私に命名させてください」と願いでたところ、先に産まれた二人の子どもの命名で知恵を遣い果たしたのか、夫はスムーズに承諾してくれました。
難関は、舅、姑でした。
しかし、1番目と2番目の子どもの命名の際に起こったトラブル各種を回避するために夫は、いつもケンカ腰で話す夫の両親に対し、あの口、この口で饒舌になだめ納得させることに成功しました。
夫にこんな一面もあったのだと、感心したことを覚えています。

私は、命名したいと申し出た時点で、というより最初の出産の時点で既に決めていた名前がありました。
それが「広心」です。
この名前に込めた意味は、漢字を見ていただくと明らかだと思いますが「広い心を持った人に育ってほしい」との願いからです。
何故、このような願いを強く持ったかというと、夫が「非常に」という文字がつくほど「狭い心」を持った人だったからです。
もちろん本人は、そのことを気づいてはいません。
たまに私が「もう少し心を広くもって!」などと進言すると「俺の了見が狭いのなら、世の中の人は皆、極小了見ばかりだ!」と堂々と、意を唱えてきます。
「広心」という名を夫に伝えたところ「名前の意味は?」と、想定内の質問をされたので私は「広いと聞くと、真っ青な空の下の大きな草原を私は想像するよ。そんな穏やかで安心した空気を感じ取れて、更に自分の醸し出す空気が、人に対し安心できるものであってほしいから」と答えました。
その思いは本当でしたが、それは願いの内のわずか30%。
「あなたのような、心の狭い人にはなってほしくない」が、45%くらいを占めていました。
あとの25%は、息子の名前を呼ぶ度に、見る度に夫に「広い心」を意識してもらおうが正直なところでした。
しかし、今は、大きな草原や大海原を想像してもらえるような人に育ってほしい!の願いが100%です。
命名の意味が変化するのも、有りなのだと私は思います。